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2014年12月17日水曜日

ジーニアス英和辞典 第5版 続報

もう出たようです。以下はプレスリリースからの引用。

「『ジーニアス英和辞典 第5版』刊行  売上No.1※の英和辞典・ジーニアスが8年ぶりに大改訂! 収録語句約10万5,000は、学習英和辞典として最大規模。 textwalking(歩きスマホ)やselfie(セルフィー、自分撮り写真) などの新語を含めて約5,000語句を追加。 」
http://www.atpress.ne.jp/view/55064

大修館のホームページにも掲載されています。
http://www.taishukan.co.jp/item/g5/index.html

2014年12月6日土曜日

ジーニアス英和辞典 第5版

12月18日(木)に発売になるようだ。買わなくては。第4版がボロボロになり捨ててしまったので、買い替えようか迷っていたところでちょうどよかった。

最近、メディアの発達により言葉の変化が速く、一方で地域間での均質化も進んでいるように感じている。新語や新用法の収録について、そのような観点から確認してみたい。

比較のために、第4版を捨てずにとっておけばよかった…

2014年12月2日火曜日

読書ノート:Masterキートン Reマスター 浦沢直樹、長崎尚志

小学館。家族に用事を頼まれて本屋に行ったところ、たまたま見つけ、新刊を購入。

Masterキートンは、元英国軍特殊空挺部隊(SAS)教官で、考古学の講師をしながら保険調査員として働く平賀=キートン・太一の活躍を描いた漫画の名作である。

全く知らなかったのだが、ここ数年、続編が不定期的にビッグコミックオリジナルに掲載されていたようで、今回のReマスターは、それを単行本化したものだ。

正編と同様、社会情勢や考古学のウンチクを織り交ぜながら、出来事と人間ドラマを描く一方、それらの展開と微妙に呼応させつつキートン自身の親子関係の移ろいを描写していく、その構成が非常に上手い。また、キートンが子供の頃のエピソードが明かされ、本編で強調されている「あきらめない」という信念を、彼がいかにして自分のものにしたのかその一端が明らかになる。

以下、本書のキートンの言葉で印象に残ったものを引用する。
「キリスト教の神は、人の行動に正義を求める。常に理由と答えを求める。でもギリシアの神々は逆です。人をわざと理由や答えのない行動へと駆り立てる」p.106-107

2014年11月11日火曜日

読書ノート:ボブ・ディラン解体新書 中山康樹著

廣済堂新書。新刊で購入。ボブ・ディランの作詞作曲の才能が枯渇したとの前提で、辛口だが愛情のこもった評論を展開。

「ボブ・ディランは、たいした論拠はなかったかもしれないが、ストーリーテラーの本能と高貴で知的なペテン師もどきの想像力を駆使して、期せずして延命したロックにおける理想的な体現者であることを、(年齢的な理由から)ほぼ最終的な自己目標に設定した」p.18

著者は、若者の音楽たるロックが今や「歴史」となるまでに延命し、この過程で、ミュージシャンが自身に関する「伝説」に加担したり、更新したり、自らの手で決着をつけたりする現象が見られることを指摘している。一例として、60年代に流布された自らの死亡説に意図的に言及した、ポール・マッカートニーの93年のアルバム「Paul Is Live」を挙げている。

ディランによる伝説の更新作業は「古い曲を破壊し、まったく別の曲として再生させる」形をとった。かなり昔からそうだが、コンサートを聞きに行くと一体何の曲をやっているのか歌詞を聞かないと分からないことが多く、そうやって作り直された曲は逆にどれも同じように聞こえたものだ。(最近は来日しても聞きに行ってないが、同じ単音をひたすら弾き続ける、よく意味の分からないギター・プレイは今も健在なのだろうか?)

著者の見立てでは、ディランは90年代初頭にソングライターとしての才能の枯渇に直面した(私もこの見方に賛成する)。92年、93年のアルバムで古い民謡や伝承曲を今の観点から蘇生させる「遺産の継承」の時期を経て、2001年に「Love and Theft」が発表された。このアルバムで、佐賀純一著「浅草博徒一代」の英語版「Confessions of a Yakuza」からの盗用疑惑が問題となる。

「彼は、日本のやくざ小説から歌詞を盗んだ。裁判沙汰になってもおかしくなかったけれど、彼にとって幸運なことにそうはならなかった。彼は私に言った。『もう何年も曲を書いていないんだ』と。じゃあ誰が書いているのかしら?」p.101 (英Uncut誌に掲載されたカナダ人シンガソングライター、ジョニ・ミッチェルへのインタビューの邦訳*)

盗用疑惑はディランの芸術家としての根幹に関わるものだったが、引用されるのは「光栄」と佐賀氏が不問にしたことや、継承と盗用に一線を引くのに難しい面があることを理由に、特に日本では容認する風潮が強まった。ところが次作「Modern Times」では、歌詞だけでなく、ほぼ全ての収録曲に、作者名がクレジットされていない何らかの原曲が存在することが判明するという事態に至っている。

著者はデービッド・ドールトン著の「ボブ・ディランという男」という本から次のように引用している。
「『タイム・アウト・オブ・マインド(97年)』から、彼はパッチワークの方法で歌をつくりはじめた。トラディショナルの歌詞からいくつかのフレーズを選び出し、それを独自の特異なイメージの言葉と、ハリー・スミスの『アンソロジー』収録曲や古い歌の言葉などと混ぜ合わせて1曲に仕上げる方法だ」p.100

とは言え「Time Out of Mind」以降、出来が悪くないアルバムはそれなりにあったと思う。著者も「Love and Theft」を聞くと「陶然とする」という。クレジットを適正化さえすれば解決する問題も多いだろうに、なんとかならないものだろうか。また盗用疑惑が、日本ではほぼなかったことになっている事態も残念である。

ちなみに次に出るアルバムは「The Basement Tapes Complete: The Bootleg Series Vol. 11」である。新曲ではない。日本では来週に発売される。
http://www.bobdylan.com/us/news/bob-dylans-basement-tapes-complete-bootleg-series-vol-11-set-november-4-release

Bootleg Series は何らかの理由で没になった曲や、アルバムに掲載されたのとは別バージョンの曲などを集めたシリーズ。Basement Tapes は60年代末に、カナダのザ・バンドと私的*なセッションを重ねていた時の音源で、ロックの海賊版アルバムの走りと言われる「Great White Wonder」の収録曲の大半がこのセッションからの曲だった。
*11月26日追記:当時ディランとザ・バンドは雇用関係にあり、「私的」との記述は誤りでした。

このコンプリート版の発表により、ディランの未公表音源のうち、個人的に聞いておきたいと思っていたものは、一部のライブを除き、ほぼ無くなる。Bootleg Series もそろそろ潮時ではないかと思う。

以下、ディランのアルバムの中から、私のお勧めを挙げておく。
1「Blood on the Tracks」
 コンセプトのしっかりした、落ち着いた名曲が多いアルバム。テーマは男女関係の破綻。
2「Blonde on Blonde」
 ディラン本人が「wild mercury」で「metallic and bright gold」な音と評した、華麗なアルバム。
3「The Bootleg Series Volumes 1-3」
 既存のアルバムに入っている正規の曲と聞き比べると、ディランの音楽の幅の広さと深さが分かり、くせになる。上記アルバムのアウトテイクも入っている。

*ジョニ・ミッチェルのインタビューは、一部がネットで閲覧できる。
http://www.uncut.co.uk/joni-mitchell/joni-mitchell-i-like-a-lot-of-bob-dylan-s-songs-but-he-s-not-very-musically-gifted-new
元々はカナダのCBC放送でのインタビューだったようだ。ボブ・ディランの話は下のビデオの2分過ぎぐらいから。
http://www.cbc.ca/player/Shows/Shows/Q+with+Jian+Ghomeshi/Joni+Mitchell/ID/2390837284/
ビデオで言及のあった LA Times のインタビュー記事は以下の通り。
http://articles.latimes.com/2010/apr/22/entertainment/la-et-jonimitchell-20100422/2

2014年11月5日水曜日

米カンザス州の減税実験

法人減税は景気拡大を促し、結果的に税収を増加させるという「法人税のパラドックス」という考え方があるそうだ。減税は、国内投資を活発化させ、製造業の海外移転を抑制し、海外から投資を呼び込むことに寄与するという理屈である。

いささか旧聞ではあるが、米国のカンザス州が、2012年に異例の大減税を行った。個人所得税率は、高所得者で6.45%→4.9%、中所得者で6.25%→4.9%、低所得者で3.5%→3.0%に低下し、零細企業の法人税率はゼロになった。

翌13年には、予定されている売上税減税幅の大幅縮小など歳入増を狙った策と同時に、数年かけて個人所得税を更に低下させ、一定の条件を満たせばゼロとする計画が決定された。
http://www.cbpp.org/files/3-27-14sfp.pdf

しかし今のところ結果は芳しくない。歳入が減る一方、経済が低迷しているという。
今年6月末までの直近の会計年度で見ると、歳入は想定より3億3千万ドル、前年より7億ドル減少したそうだ。州の年間の予算規模は60億ドル前後なので、影響は大きい。雇用も個人所得も、全米の平均ほどの伸びを見せていないとのこと。
http://www.nytimes.com/2014/10/23/upshot/kansas-faces-additional-revenue-shortfalls-after-tax-cuts.html
http://www.nytimes.com/2014/06/30/opinion/paul-krugman-charlatans-cranks-and-kansas.html
http://www.forbes.com/sites/beltway/2014/07/15/whats-the-matter-with-kansas-and-its-tax-cuts-it-cant-do-math/

日本でも投資促進のため法人減税が検討されている。一部の論者は「グローバルな減税競争に乗り遅れるな」と檄を飛ばしているが、法人減税の経済全般に対するメリットが一体どのような条件なら表れてくるのか、しっかりした検討を行ってほしいものである。

政府税調の法人課税ディスカッショングループの今年3月の会合での資料に、法人税のパラドックスの包括的な解説があったので、後で読んでおこうと思う。一橋大学政策大学院の佐藤主水氏作成のものである([法D1-3]と書いてあるもの)。
http://www.cao.go.jp/zei-cho/gijiroku/discussion3/2013/__icsFiles/afieldfile/2014/03/12/25dis31kai7.pdf
http://www.cao.go.jp/zei-cho/gijiroku/discussion3/2013/25dis31kai.html

2014年10月18日土曜日

小型核融合炉

ロッキードが、トラックに載るぐらい小型な核融合炉の開発にメドをつけたそうだ。5年で試作品作成、10年で実用化という計画。
http://lockheedmartin.com/us/products/compact-fusion.html
http://www.lockheedmartin.com/us/news/press-releases/2014/october/141015ae_lockheed-martin-pursuing-compact-nuclear-fusion.html

ネットで見る限り日本の新聞はあまり取り上げていないようだが、海外ではそこそこ大きなニュースになっている。
http://www.washingtonpost.com/news/capital-business/wp/2014/10/15/nuclear-fusion-energy-in-a-decade-lockheed-martin-is-betting-on-it/

懐疑論もあるようだ。小さい装置で本当に核融合反応を起こせるのか、炉の耐久性は大丈夫かなど。
http://www.washingtonpost.com/news/capital-business/wp/2014/10/16/can-lockheed-martins-nuclear-fusion-reactor-work-some-scientists-doubt-it/

イギリスやアメリカでは10代の子供が核融合炉を作ったりしているらしい…
https://www.google.co.jp/?gws_rd=ssl#q=american+kid+nuclear+fusion+reactor

天下のロッキードが言うのだから、本当にメドが立っているのだと信じたいが、少し調べた方がよいかもしれない。時間があったらやってみます。

2014年10月1日水曜日

読書ノート:首都水没 土屋信行著

文春新書。新刊で購入。東京の水害の歴史的経緯を解説し、対策不足を警告。

9月10日の局地的大雨は都内各地で浸水を引き起こした。肝を冷やした方も多かっただろうし、実際に被害に遭った方もいるだろう。もう1時間雨が続いたら、被害は飛躍的に増えたのではないだろうか。

本書では、2010年4月に発表された政府の中央防災会議による「大規模水害対策に関する専門調査会報告」などを基に、実際水害が起きた場合にどのような事態が発生しうるのか、分かりやすく説明している。
http://www.bousai.go.jp/kaigirep/chuobou/senmon/daikibosuigai/pdf/100402_shiryo_2.pdf

詳細は本書や報告を参照していただくとして、ここでは利根川と荒川の堤防が決壊した場合の何種類かのシナリオを全て重ね合わせた浸水被害想定の地図を掲載しておく(「報告」のp.39)。実際には起こらないだろうが、最悪を想定するにはちょうどよい。

分かりづらいが、荒川最下流にある赤い浸水域は足立区で、その少し上流左手の赤い区域は板橋区である。



本書で印象に残った点は以下の通り。
・都内の雨水処理能力は1時間降雨強度50mmが限界。そのような大雨の際にはなるべく水を使わない(つまり排水しない)という配慮が必要。p.103
・台風に伴う高潮はじわじわ水位が上がるのではなく、破壊力を持った津波のような挙動をする。p.181-182
・1917年秋に東京・千葉の沿岸部を襲った高潮で、現在の江戸川区の新川周辺の梨畑が全滅。
農家の多くが高台を求めて市川や船橋などに移住した。p.181
  →今をときめく某ゆるキャラの背後にそんな歴史があったとは…