「運動会の徒競争で順位を付けないといった競争を否定する教育を受けた人ほど互いに助け合わない」2014年12月27日付夕刊p.5
昔の記事だが、備忘のため引用。人間の能力は皆同じで、違いは努力の差に起因するため、困っている人がいても助けなくていいという考え方になるそうだ。
「『日本の幸福度』調査では、他の人の生活水準を意識する人ほど不幸だ、というデータが出ています。日本人はかなり上の人と比べてしまう。向上心は高まるかもしれないが、幸福感は下がる。米国人は同じか、もっと下を見るのでハッピーになりやすい」同ページ
以下に大竹氏の代表的な著作を挙げておく。そのうち読むつもり。
「日本の不平等-格差社会の幻想と未来」日本経済新聞社
http://www.nikkeibook.com/book_detail/13295/
「競争と公平感 市場経済の本当のメリット」中公新書
http://www.chuko.co.jp/shinsho/2010/03/102045.html
「日本の幸福度 格差・労働・家族」編著 日本評論社
http://www.nippyo.co.jp/book/5362.html
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2015年2月14日土曜日
2015年2月7日土曜日
本日の引用:朝日新聞 若田部昌澄・早大教授インタビュー
「政府と一体と考えられる日銀が持っている国債260兆円は国のバランスシートから落とせる」電子版2015年2月5日09時17分
http://www.asahi.com/articles/ASH1V5GGDH1VULFA024.html
「国のバランスシートから落とせる」から何なんだろうか。そんなに簡単なことなら今すぐにやればいい。あるいは日銀引き受けが大量にあった大戦末期にでもやればよかったじゃないか。
日銀でこれほど大量の資産が毀損されることになると、バランスシートの反対側の負債も急激に減らないといけないことになる。日銀の負債の代表は銀行券と民間金融機関の当座預金である。一体どう帳尻をつけようというのか?
http://www.boj.or.jp/statistics/boj/other/acmai/release/2015/ac150131.htm/
同じ大学の原田泰教授も似たような珍説を出している。なお同氏は日銀の金融政策を決める審議委員に就任の方向だ。
「国債買い入れの増額について『国民の借金を日銀が減らすことだ。誰も困らず公平である』とした」ロイター 2015年1月13日 15:31
http://jp.reuters.com/article/idJPKBN0KM0FA20150113?sp=true
「日銀は国債をコストをかけずにただで買っている。10兆円分の国債を購入して、仮に2割損してももうけは8兆円ある。日銀の利益は国庫に渡ってきた。国債の価格が下がっても、財務省が埋めればそれでいいだけだ」朝日新聞電子版2015年1月21日11時34分
http://www.asahi.com/articles/ASGDS5TCMGDSULFA034.html
リフレ派とかマネタリストって一体…(以下自粛)
日銀の総裁と副総裁が現在の顔触れとなったのが2013年3月。異次元緩和は翌月に導入された。2年程度で2%のインフレを起こすという当時からの約束を果たすことは、ほぼ不可能だ。
数カ月でデフレ脱却を実現できると豪語した米エール大学名誉教授の浜田宏一氏や、「当座預金残高が10%増えると、予想インフレ率は0.44ポイント上がる」との試算を就任前に公表していた岩田規久男副総裁には、見通し通りにならなかった理由を説明し、自身が拠って立つ理論を抜本的に見直す必要があるのではないか。
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MEJ7MB6JTSFI01.html
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFL040PK_U3A300C1000000/
2人とも白川方明前総裁や当時の日銀を強い言葉で批判していたのだから、ぜひともきちんとやってもらいたい。
*2月7日追記:当座預金は、日銀の政策目標であるマネタリーベースの主要項目で、2013年は108.8%、翌14年は89.9%増えた。予想インフレ率は計測が難しいようだが、主要指標の一つとして岩田氏が講演等で言及してきたブレーク・イーブン・インフレ率(BEI)は、試算とはほど遠い動きになっている。
http://www.boj.or.jp/statistics/boj/other/mb/base1501.pdf
http://www.bb.jbts.co.jp/marketdata/marketdata05.html
http://www.asahi.com/articles/ASH1V5GGDH1VULFA024.html
「国のバランスシートから落とせる」から何なんだろうか。そんなに簡単なことなら今すぐにやればいい。あるいは日銀引き受けが大量にあった大戦末期にでもやればよかったじゃないか。
日銀でこれほど大量の資産が毀損されることになると、バランスシートの反対側の負債も急激に減らないといけないことになる。日銀の負債の代表は銀行券と民間金融機関の当座預金である。一体どう帳尻をつけようというのか?
http://www.boj.or.jp/statistics/boj/other/acmai/release/2015/ac150131.htm/
同じ大学の原田泰教授も似たような珍説を出している。なお同氏は日銀の金融政策を決める審議委員に就任の方向だ。
「国債買い入れの増額について『国民の借金を日銀が減らすことだ。誰も困らず公平である』とした」ロイター 2015年1月13日 15:31
http://jp.reuters.com/article/idJPKBN0KM0FA20150113?sp=true
「日銀は国債をコストをかけずにただで買っている。10兆円分の国債を購入して、仮に2割損してももうけは8兆円ある。日銀の利益は国庫に渡ってきた。国債の価格が下がっても、財務省が埋めればそれでいいだけだ」朝日新聞電子版2015年1月21日11時34分
http://www.asahi.com/articles/ASGDS5TCMGDSULFA034.html
リフレ派とかマネタリストって一体…(以下自粛)
日銀の総裁と副総裁が現在の顔触れとなったのが2013年3月。異次元緩和は翌月に導入された。2年程度で2%のインフレを起こすという当時からの約束を果たすことは、ほぼ不可能だ。
数カ月でデフレ脱却を実現できると豪語した米エール大学名誉教授の浜田宏一氏や、「当座預金残高が10%増えると、予想インフレ率は0.44ポイント上がる」との試算を就任前に公表していた岩田規久男副総裁には、見通し通りにならなかった理由を説明し、自身が拠って立つ理論を抜本的に見直す必要があるのではないか。
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MEJ7MB6JTSFI01.html
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFL040PK_U3A300C1000000/
2人とも白川方明前総裁や当時の日銀を強い言葉で批判していたのだから、ぜひともきちんとやってもらいたい。
*2月7日追記:当座預金は、日銀の政策目標であるマネタリーベースの主要項目で、2013年は108.8%、翌14年は89.9%増えた。予想インフレ率は計測が難しいようだが、主要指標の一つとして岩田氏が講演等で言及してきたブレーク・イーブン・インフレ率(BEI)は、試算とはほど遠い動きになっている。
http://www.boj.or.jp/statistics/boj/other/mb/base1501.pdf
http://www.bb.jbts.co.jp/marketdata/marketdata05.html
2014年12月17日水曜日
ジーニアス英和辞典 第5版 続報
もう出たようです。以下はプレスリリースからの引用。
「『ジーニアス英和辞典 第5版』刊行 売上No.1※の英和辞典・ジーニアスが8年ぶりに大改訂! 収録語句約10万5,000は、学習英和辞典として最大規模。 textwalking(歩きスマホ)やselfie(セルフィー、自分撮り写真) などの新語を含めて約5,000語句を追加。 」
http://www.atpress.ne.jp/view/55064
大修館のホームページにも掲載されています。
http://www.taishukan.co.jp/item/g5/index.html
「『ジーニアス英和辞典 第5版』刊行 売上No.1※の英和辞典・ジーニアスが8年ぶりに大改訂! 収録語句約10万5,000は、学習英和辞典として最大規模。 textwalking(歩きスマホ)やselfie(セルフィー、自分撮り写真) などの新語を含めて約5,000語句を追加。 」
http://www.atpress.ne.jp/view/55064
大修館のホームページにも掲載されています。
http://www.taishukan.co.jp/item/g5/index.html
2014年12月6日土曜日
ジーニアス英和辞典 第5版
12月18日(木)に発売になるようだ。買わなくては。第4版がボロボロになり捨ててしまったので、買い替えようか迷っていたところでちょうどよかった。
最近、メディアの発達により言葉の変化が速く、一方で地域間での均質化も進んでいるように感じている。新語や新用法の収録について、そのような観点から確認してみたい。
比較のために、第4版を捨てずにとっておけばよかった…
最近、メディアの発達により言葉の変化が速く、一方で地域間での均質化も進んでいるように感じている。新語や新用法の収録について、そのような観点から確認してみたい。
比較のために、第4版を捨てずにとっておけばよかった…
2014年12月2日火曜日
読書ノート:Masterキートン Reマスター 浦沢直樹、長崎尚志
小学館。家族に用事を頼まれて本屋に行ったところ、たまたま見つけ、新刊を購入。
Masterキートンは、元英国軍特殊空挺部隊(SAS)教官で、考古学の講師をしながら保険調査員として働く平賀=キートン・太一の活躍を描いた漫画の名作である。
全く知らなかったのだが、ここ数年、続編が不定期的にビッグコミックオリジナルに掲載されていたようで、今回のReマスターは、それを単行本化したものだ。
正編と同様、社会情勢や考古学のウンチクを織り交ぜながら、出来事と人間ドラマを描く一方、それらの展開と微妙に呼応させつつキートン自身の親子関係の移ろいを描写していく、その構成が非常に上手い。また、キートンが子供の頃のエピソードが明かされ、本編で強調されている「あきらめない」という信念を、彼がいかにして自分のものにしたのかその一端が明らかになる。
以下、本書のキートンの言葉で印象に残ったものを引用する。
「キリスト教の神は、人の行動に正義を求める。常に理由と答えを求める。でもギリシアの神々は逆です。人をわざと理由や答えのない行動へと駆り立てる」p.106-107
Masterキートンは、元英国軍特殊空挺部隊(SAS)教官で、考古学の講師をしながら保険調査員として働く平賀=キートン・太一の活躍を描いた漫画の名作である。
全く知らなかったのだが、ここ数年、続編が不定期的にビッグコミックオリジナルに掲載されていたようで、今回のReマスターは、それを単行本化したものだ。
正編と同様、社会情勢や考古学のウンチクを織り交ぜながら、出来事と人間ドラマを描く一方、それらの展開と微妙に呼応させつつキートン自身の親子関係の移ろいを描写していく、その構成が非常に上手い。また、キートンが子供の頃のエピソードが明かされ、本編で強調されている「あきらめない」という信念を、彼がいかにして自分のものにしたのかその一端が明らかになる。
以下、本書のキートンの言葉で印象に残ったものを引用する。
「キリスト教の神は、人の行動に正義を求める。常に理由と答えを求める。でもギリシアの神々は逆です。人をわざと理由や答えのない行動へと駆り立てる」p.106-107
2014年11月11日火曜日
読書ノート:ボブ・ディラン解体新書 中山康樹著
廣済堂新書。新刊で購入。ボブ・ディランの作詞作曲の才能が枯渇したとの前提で、辛口だが愛情のこもった評論を展開。
「ボブ・ディランは、たいした論拠はなかったかもしれないが、ストーリーテラーの本能と高貴で知的なペテン師もどきの想像力を駆使して、期せずして延命したロックにおける理想的な体現者であることを、(年齢的な理由から)ほぼ最終的な自己目標に設定した」p.18
著者は、若者の音楽たるロックが今や「歴史」となるまでに延命し、この過程で、ミュージシャンが自身に関する「伝説」に加担したり、更新したり、自らの手で決着をつけたりする現象が見られることを指摘している。一例として、60年代に流布された自らの死亡説に意図的に言及した、ポール・マッカートニーの93年のアルバム「Paul Is Live」を挙げている。
ディランによる伝説の更新作業は「古い曲を破壊し、まったく別の曲として再生させる」形をとった。かなり昔からそうだが、コンサートを聞きに行くと一体何の曲をやっているのか歌詞を聞かないと分からないことが多く、そうやって作り直された曲は逆にどれも同じように聞こえたものだ。(最近は来日しても聞きに行ってないが、同じ単音をひたすら弾き続ける、よく意味の分からないギター・プレイは今も健在なのだろうか?)
著者の見立てでは、ディランは90年代初頭にソングライターとしての才能の枯渇に直面した(私もこの見方に賛成する)。92年、93年のアルバムで古い民謡や伝承曲を今の観点から蘇生させる「遺産の継承」の時期を経て、2001年に「Love and Theft」が発表された。このアルバムで、佐賀純一著「浅草博徒一代」の英語版「Confessions of a Yakuza」からの盗用疑惑が問題となる。
「彼は、日本のやくざ小説から歌詞を盗んだ。裁判沙汰になってもおかしくなかったけれど、彼にとって幸運なことにそうはならなかった。彼は私に言った。『もう何年も曲を書いていないんだ』と。じゃあ誰が書いているのかしら?」p.101 (英Uncut誌に掲載されたカナダ人シンガソングライター、ジョニ・ミッチェルへのインタビューの邦訳*)
盗用疑惑はディランの芸術家としての根幹に関わるものだったが、引用されるのは「光栄」と佐賀氏が不問にしたことや、継承と盗用に一線を引くのに難しい面があることを理由に、特に日本では容認する風潮が強まった。ところが次作「Modern Times」では、歌詞だけでなく、ほぼ全ての収録曲に、作者名がクレジットされていない何らかの原曲が存在することが判明するという事態に至っている。
著者はデービッド・ドールトン著の「ボブ・ディランという男」という本から次のように引用している。
「『タイム・アウト・オブ・マインド(97年)』から、彼はパッチワークの方法で歌をつくりはじめた。トラディショナルの歌詞からいくつかのフレーズを選び出し、それを独自の特異なイメージの言葉と、ハリー・スミスの『アンソロジー』収録曲や古い歌の言葉などと混ぜ合わせて1曲に仕上げる方法だ」p.100
とは言え「Time Out of Mind」以降、出来が悪くないアルバムはそれなりにあったと思う。著者も「Love and Theft」を聞くと「陶然とする」という。クレジットを適正化さえすれば解決する問題も多いだろうに、なんとかならないものだろうか。また盗用疑惑が、日本ではほぼなかったことになっている事態も残念である。
ちなみに次に出るアルバムは「The Basement Tapes Complete: The Bootleg Series Vol. 11」である。新曲ではない。日本では来週に発売される。
http://www.bobdylan.com/us/news/bob-dylans-basement-tapes-complete-bootleg-series-vol-11-set-november-4-release
Bootleg Series は何らかの理由で没になった曲や、アルバムに掲載されたのとは別バージョンの曲などを集めたシリーズ。Basement Tapes は60年代末に、カナダのザ・バンドと私的*なセッションを重ねていた時の音源で、ロックの海賊版アルバムの走りと言われる「Great White Wonder」の収録曲の大半がこのセッションからの曲だった。
*11月26日追記:当時ディランとザ・バンドは雇用関係にあり、「私的」との記述は誤りでした。
このコンプリート版の発表により、ディランの未公表音源のうち、個人的に聞いておきたいと思っていたものは、一部のライブを除き、ほぼ無くなる。Bootleg Series もそろそろ潮時ではないかと思う。
以下、ディランのアルバムの中から、私のお勧めを挙げておく。
1「Blood on the Tracks」
コンセプトのしっかりした、落ち着いた名曲が多いアルバム。テーマは男女関係の破綻。
2「Blonde on Blonde」
ディラン本人が「wild mercury」で「metallic and bright gold」な音と評した、華麗なアルバム。
3「The Bootleg Series Volumes 1-3」
既存のアルバムに入っている正規の曲と聞き比べると、ディランの音楽の幅の広さと深さが分かり、くせになる。上記アルバムのアウトテイクも入っている。
*ジョニ・ミッチェルのインタビューは、一部がネットで閲覧できる。
http://www.uncut.co.uk/joni-mitchell/joni-mitchell-i-like-a-lot-of-bob-dylan-s-songs-but-he-s-not-very-musically-gifted-new
元々はカナダのCBC放送でのインタビューだったようだ。ボブ・ディランの話は下のビデオの2分過ぎぐらいから。
http://www.cbc.ca/player/Shows/Shows/Q+with+Jian+Ghomeshi/Joni+Mitchell/ID/2390837284/
ビデオで言及のあった LA Times のインタビュー記事は以下の通り。
http://articles.latimes.com/2010/apr/22/entertainment/la-et-jonimitchell-20100422/2
「ボブ・ディランは、たいした論拠はなかったかもしれないが、ストーリーテラーの本能と高貴で知的なペテン師もどきの想像力を駆使して、期せずして延命したロックにおける理想的な体現者であることを、(年齢的な理由から)ほぼ最終的な自己目標に設定した」p.18
著者は、若者の音楽たるロックが今や「歴史」となるまでに延命し、この過程で、ミュージシャンが自身に関する「伝説」に加担したり、更新したり、自らの手で決着をつけたりする現象が見られることを指摘している。一例として、60年代に流布された自らの死亡説に意図的に言及した、ポール・マッカートニーの93年のアルバム「Paul Is Live」を挙げている。
ディランによる伝説の更新作業は「古い曲を破壊し、まったく別の曲として再生させる」形をとった。かなり昔からそうだが、コンサートを聞きに行くと一体何の曲をやっているのか歌詞を聞かないと分からないことが多く、そうやって作り直された曲は逆にどれも同じように聞こえたものだ。(最近は来日しても聞きに行ってないが、同じ単音をひたすら弾き続ける、よく意味の分からないギター・プレイは今も健在なのだろうか?)
著者の見立てでは、ディランは90年代初頭にソングライターとしての才能の枯渇に直面した(私もこの見方に賛成する)。92年、93年のアルバムで古い民謡や伝承曲を今の観点から蘇生させる「遺産の継承」の時期を経て、2001年に「Love and Theft」が発表された。このアルバムで、佐賀純一著「浅草博徒一代」の英語版「Confessions of a Yakuza」からの盗用疑惑が問題となる。
「彼は、日本のやくざ小説から歌詞を盗んだ。裁判沙汰になってもおかしくなかったけれど、彼にとって幸運なことにそうはならなかった。彼は私に言った。『もう何年も曲を書いていないんだ』と。じゃあ誰が書いているのかしら?」p.101 (英Uncut誌に掲載されたカナダ人シンガソングライター、ジョニ・ミッチェルへのインタビューの邦訳*)
盗用疑惑はディランの芸術家としての根幹に関わるものだったが、引用されるのは「光栄」と佐賀氏が不問にしたことや、継承と盗用に一線を引くのに難しい面があることを理由に、特に日本では容認する風潮が強まった。ところが次作「Modern Times」では、歌詞だけでなく、ほぼ全ての収録曲に、作者名がクレジットされていない何らかの原曲が存在することが判明するという事態に至っている。
著者はデービッド・ドールトン著の「ボブ・ディランという男」という本から次のように引用している。
「『タイム・アウト・オブ・マインド(97年)』から、彼はパッチワークの方法で歌をつくりはじめた。トラディショナルの歌詞からいくつかのフレーズを選び出し、それを独自の特異なイメージの言葉と、ハリー・スミスの『アンソロジー』収録曲や古い歌の言葉などと混ぜ合わせて1曲に仕上げる方法だ」p.100
とは言え「Time Out of Mind」以降、出来が悪くないアルバムはそれなりにあったと思う。著者も「Love and Theft」を聞くと「陶然とする」という。クレジットを適正化さえすれば解決する問題も多いだろうに、なんとかならないものだろうか。また盗用疑惑が、日本ではほぼなかったことになっている事態も残念である。
ちなみに次に出るアルバムは「The Basement Tapes Complete: The Bootleg Series Vol. 11」である。新曲ではない。日本では来週に発売される。
http://www.bobdylan.com/us/news/bob-dylans-basement-tapes-complete-bootleg-series-vol-11-set-november-4-release
Bootleg Series は何らかの理由で没になった曲や、アルバムに掲載されたのとは別バージョンの曲などを集めたシリーズ。Basement Tapes は60年代末に、カナダのザ・バンドと
*11月26日追記:当時ディランとザ・バンドは雇用関係にあり、「私的」との記述は誤りでした。
このコンプリート版の発表により、ディランの未公表音源のうち、個人的に聞いておきたいと思っていたものは、一部のライブを除き、ほぼ無くなる。Bootleg Series もそろそろ潮時ではないかと思う。
以下、ディランのアルバムの中から、私のお勧めを挙げておく。
1「Blood on the Tracks」
コンセプトのしっかりした、落ち着いた名曲が多いアルバム。テーマは男女関係の破綻。
2「Blonde on Blonde」
ディラン本人が「wild mercury」で「metallic and bright gold」な音と評した、華麗なアルバム。
3「The Bootleg Series Volumes 1-3」
既存のアルバムに入っている正規の曲と聞き比べると、ディランの音楽の幅の広さと深さが分かり、くせになる。上記アルバムのアウトテイクも入っている。
*ジョニ・ミッチェルのインタビューは、一部がネットで閲覧できる。
http://www.uncut.co.uk/joni-mitchell/joni-mitchell-i-like-a-lot-of-bob-dylan-s-songs-but-he-s-not-very-musically-gifted-new
元々はカナダのCBC放送でのインタビューだったようだ。ボブ・ディランの話は下のビデオの2分過ぎぐらいから。
http://www.cbc.ca/player/Shows/Shows/Q+with+Jian+Ghomeshi/Joni+Mitchell/ID/2390837284/
ビデオで言及のあった LA Times のインタビュー記事は以下の通り。
http://articles.latimes.com/2010/apr/22/entertainment/la-et-jonimitchell-20100422/2
2014年11月5日水曜日
米カンザス州の減税実験
法人減税は景気拡大を促し、結果的に税収を増加させるという「法人税のパラドックス」という考え方があるそうだ。減税は、国内投資を活発化させ、製造業の海外移転を抑制し、海外から投資を呼び込むことに寄与するという理屈である。
いささか旧聞ではあるが、米国のカンザス州が、2012年に異例の大減税を行った。個人所得税率は、高所得者で6.45%→4.9%、中所得者で6.25%→4.9%、低所得者で3.5%→3.0%に低下し、零細企業の法人税率はゼロになった。
翌13年には、予定されている売上税減税幅の大幅縮小など歳入増を狙った策と同時に、数年かけて個人所得税を更に低下させ、一定の条件を満たせばゼロとする計画が決定された。
http://www.cbpp.org/files/3-27-14sfp.pdf
しかし今のところ結果は芳しくない。歳入が減る一方、経済が低迷しているという。
今年6月末までの直近の会計年度で見ると、歳入は想定より3億3千万ドル、前年より7億ドル減少したそうだ。州の年間の予算規模は60億ドル前後なので、影響は大きい。雇用も個人所得も、全米の平均ほどの伸びを見せていないとのこと。
http://www.nytimes.com/2014/10/23/upshot/kansas-faces-additional-revenue-shortfalls-after-tax-cuts.html
http://www.nytimes.com/2014/06/30/opinion/paul-krugman-charlatans-cranks-and-kansas.html
http://www.forbes.com/sites/beltway/2014/07/15/whats-the-matter-with-kansas-and-its-tax-cuts-it-cant-do-math/
日本でも投資促進のため法人減税が検討されている。一部の論者は「グローバルな減税競争に乗り遅れるな」と檄を飛ばしているが、法人減税の経済全般に対するメリットが一体どのような条件なら表れてくるのか、しっかりした検討を行ってほしいものである。
政府税調の法人課税ディスカッショングループの今年3月の会合での資料に、法人税のパラドックスの包括的な解説があったので、後で読んでおこうと思う。一橋大学政策大学院の佐藤主水氏作成のものである([法D1-3]と書いてあるもの)。
http://www.cao.go.jp/zei-cho/gijiroku/discussion3/2013/__icsFiles/afieldfile/2014/03/12/25dis31kai7.pdf
http://www.cao.go.jp/zei-cho/gijiroku/discussion3/2013/25dis31kai.html
いささか旧聞ではあるが、米国のカンザス州が、2012年に異例の大減税を行った。個人所得税率は、高所得者で6.45%→4.9%、中所得者で6.25%→4.9%、低所得者で3.5%→3.0%に低下し、零細企業の法人税率はゼロになった。
翌13年には、予定されている売上税減税幅の大幅縮小など歳入増を狙った策と同時に、数年かけて個人所得税を更に低下させ、一定の条件を満たせばゼロとする計画が決定された。
http://www.cbpp.org/files/3-27-14sfp.pdf
しかし今のところ結果は芳しくない。歳入が減る一方、経済が低迷しているという。
今年6月末までの直近の会計年度で見ると、歳入は想定より3億3千万ドル、前年より7億ドル減少したそうだ。州の年間の予算規模は60億ドル前後なので、影響は大きい。雇用も個人所得も、全米の平均ほどの伸びを見せていないとのこと。
http://www.nytimes.com/2014/10/23/upshot/kansas-faces-additional-revenue-shortfalls-after-tax-cuts.html
http://www.nytimes.com/2014/06/30/opinion/paul-krugman-charlatans-cranks-and-kansas.html
http://www.forbes.com/sites/beltway/2014/07/15/whats-the-matter-with-kansas-and-its-tax-cuts-it-cant-do-math/
日本でも投資促進のため法人減税が検討されている。一部の論者は「グローバルな減税競争に乗り遅れるな」と檄を飛ばしているが、法人減税の経済全般に対するメリットが一体どのような条件なら表れてくるのか、しっかりした検討を行ってほしいものである。
政府税調の法人課税ディスカッショングループの今年3月の会合での資料に、法人税のパラドックスの包括的な解説があったので、後で読んでおこうと思う。一橋大学政策大学院の佐藤主水氏作成のものである([法D1-3]と書いてあるもの)。
http://www.cao.go.jp/zei-cho/gijiroku/discussion3/2013/__icsFiles/afieldfile/2014/03/12/25dis31kai7.pdf
http://www.cao.go.jp/zei-cho/gijiroku/discussion3/2013/25dis31kai.html
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