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2017年5月29日月曜日

「英語で読む高校世界史」の残念さ

講談社の「英語で読む高校世界史」を広告で見て中身を確認せずに買ったのだが、帰宅後、冒頭の「刊行にあたって」の英訳を見て読む気をなくした。翻訳なのである程度不自然であっても仕方ないと思うが、それにしても誤りが多すぎる。
ネイティブチェックを通していると書いてあるが、信じがたい。
買った以上、全部読むけど。

おかしな部分を一部挙げる。

...foreigners who visit to Japan...
→toは不要。
At that time,...
→「その時に」という実際に起こったことを指す表現なので、日本語の「(外国人と接する機会が増えており)そのような時に」のような例示には使えない。
...recognize the Glorious Revolution as 名誉革命 occurred in the seventeenth-century England...
occurred を削除するか、その直前に , which を挿入するか、どちらかが必要。
...people who do not know Chinese character...
characters と複数にしないと「漢字」という意味にはならない。
...a volunteer work for translating...
work に a がつくと「作品」になってしまう。
...not only high school or university students, but also business persons or diplomats
日本語では「高校生・大学生ばかりではなく、企業人や外交関係者などもまた」とあり、どちらの or も and にするのが正しい。or の誤用はここ以外にも散見される。
...Japanese textbooks...are edited from the impartial viewpoint.
impartial viewpoint を新情報として提示しているが、意味が強すぎるので the は an に直す必要がある。こうした不適切な the もよく見られる。

そもそも英語タイトルの「Japanese high school textbook of the WORLD HISTORY」のWORLD HISTORYに the は不要。

「世界史は、英語で学んでこそ役に立つ」とのキャッチフレーズはその通りだと思う。せっかくのいい企画だけに、やり直すことはできないだろうか?今からでも、きちんとしたネイティブチェックをかけるべきだろう。

その際には life style と lifestyle、seventeenth century と 20th century のようなスタイルの統一にも気を配ってもらいたい。