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2014年12月2日火曜日

読書ノート:Masterキートン Reマスター 浦沢直樹、長崎尚志

小学館。家族に用事を頼まれて本屋に行ったところ、たまたま見つけ、新刊を購入。

Masterキートンは、元英国軍特殊空挺部隊(SAS)教官で、考古学の講師をしながら保険調査員として働く平賀=キートン・太一の活躍を描いた漫画の名作である。

全く知らなかったのだが、ここ数年、続編が不定期的にビッグコミックオリジナルに掲載されていたようで、今回のReマスターは、それを単行本化したものだ。

正編と同様、社会情勢や考古学のウンチクを織り交ぜながら、出来事と人間ドラマを描く一方、それらの展開と微妙に呼応させつつキートン自身の親子関係の移ろいを描写していく、その構成が非常に上手い。また、キートンが子供の頃のエピソードが明かされ、本編で強調されている「あきらめない」という信念を、彼がいかにして自分のものにしたのかその一端が明らかになる。

以下、本書のキートンの言葉で印象に残ったものを引用する。
「キリスト教の神は、人の行動に正義を求める。常に理由と答えを求める。でもギリシアの神々は逆です。人をわざと理由や答えのない行動へと駆り立てる」p.106-107

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