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2014年4月16日水曜日

トレンド日米表現辞典第4版の研究12

p.244 公的資金の返済 repayment of capital injection
前回見落としていたが、見出しの英訳は「repayment of public funds」などとすべき。「repayment for capital injection(資本注入のお礼)」ならまだ理解可能。もちろん変だけど。
また例文では「inject public funds to ~」という構造の文を示しているが、前置詞はintoが正しい。

p.245 長期信用銀行 long-term credit bank
「日本興業銀行は2002年、みずほ銀行に統合された」とあるが、正しくはみずほコーポレート銀行。法手続き的には興銀が富士銀行に吸収された形になるが、本店も基幹システムも興銀のものを引き継いだので、興銀を母体にみずほコーポレート銀行が設立されたという方が実情に近い。昨年7月にみずほ銀行と合併し名前から「コーポレート」が外れたが、本店となったのは旧興銀本店だった。来月、旧富士銀本店跡地を再開発したビルに本店を移転する予定。

p.245 信託銀行 trust bank; trust and banking company
「2006年6月現在では、中央三井信託銀行、三菱UFJ信託銀行、みずほ信託銀行の3行しかない」とあるが、住友信託を忘れている。日本長期信用銀行が潰れそうな1998年、実質救済目的の経営統合を発表したり(後に破談)、2004年にUFJ信託との合併の合意が破棄され、三菱東京フィナンシャルグループと法廷闘争になったりと、話題に事欠かなかった。この項目の著者はニュースを見ていなかったのだろうか。以下の本でも読んで当時の雰囲気を思い出したらよい。
http://publications.asahi.com/ecs/detail/?item_id=14991

また、当時の正確な数は知らないが、外資系を含めると信託銀行はもっとたくさんあったはずだ。さらに信託併営だった大和銀行の流れを汲むりそな銀行も、信託銀行の免許を持っている。

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