先日、島倉千代子さんの告別式の様子をテレビで拝見したところ、亡くなる3日前に自宅で収録した「からたちの小径」という曲が流された。
いつもの軽やかな声ではあったが、か細くてビブラートがやさしく、かえって情感が強くこもっているように感じられ、胸が熱くなった。人生最後のレコーディングと覚悟の上である。何を想いながら歌ったのだろう。肉声の力を思い知らされる歌声だった。
肉声と言えば、田中好子さんが2011年4月に亡くなったすぐ後に公開された音声メッセージも忘れ難い。「私も一生懸命病気と闘ってきましたが、もしかすると負けてしまうかもしれません。でもその時は必ず天国で被災された方のお役に立ちたいと思います。」という一節を含んだメッセージである。
この2人ほど見事にはできなくても、死に際し、私もきちんと人生を総括することができるだろうか。せめて身近な者には何らかの形でメッセージを残したいものだ。
改めてお2人のご冥福をお祈りします。
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