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2013年7月5日金曜日

トレンド日米表現辞典第4版の研究2

P.205 (外国)為替市場介入
不胎化介入を「unfertilized intervention」としているが、「sterilized intervention」が正しい。非不胎化は「unsterilized」など。不胎化は、介入によって副次的に起こる国内の通貨量の変化を相殺するために行う金融調節のこと。有斐閣経済辞典第3版などによると、金本位制の頃から存在する金融調節だそうだ。

P.214 景気の踊り場(business)soft patch
「soft patch」を、元来は海事用語で「(船を)応急修理するための当て金および帆布」を指すと説明している。確かにそうかもしれないが、ここは素直に「soft=(景気などが)軟調な」「patch=時期」と言えばいいのではないだろうか。Oxford Dictionary of Current English第2版には「period of a specified, esp. unpleasant, kind」という語義があり「went through a bad patch」との用例が挙がっている。「soft patch」が「地面のぬかるんだ一画」を意味することによって比喩的に景気の軟調を示す、という説明をする人もいるので、やや自信がないけど。

P.215 有効需要 effective demand
「供給に見合い、すぐに出荷できる(有効な)需要」と説明しているが、当然、需要は出荷できない。ネットの用語集を見ると「貨幣的支出の裏付けのある需要」というのが一般的な定義のようだ。

P.219 財政制度審議会 Financial System Council
正しくは「財政制度等審議会」で、英文名は「Fiscal System Council」。前の版では、少なくとも英文名は正しいものを載せている。

今まで見てきた問題点は、前のエントリーも含め、全て第4版で追加された記述に関わるものである。細かいのでいちいち触れていないが、前の版の説明や例文を微妙に書き換えている部分が結構あって、中にはなぜわざわざ書き換える必要があったのか理解に苦しむものもあった。

誤りはまだまだたくさんある。続きはまた今度。

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